カウボーイハットに口ひげ、腰には二丁拳銃。あの独特のシルエットを見て「この俳優、どこかで見たことがある」と思った方は少なくないはずです。
『キングスマン ゴールデン・サークル』でアメリカのスパイ組織ステイツマンの一員として登場するエージェント・ウイスキーを演じたのが、いまや世界的スターとなったペドロ・パスカルです。個人的な経験では、この作品を公開当時に観たときは「ナルコスの人だ」という認識でしたが、その後『マンダロリアン』『THE LAST OF US』を経て見返すと、まったく違う顔が見えてきました。
この記事で学べること
- ペドロ・パスカルの役名は「ジャック・ダニエルズ」、コードネームが「ウイスキー」
- 電磁式の投げ縄と二丁拳銃という、シリーズ屈指の異色スタイルの戦闘描写
- ウイスキーは単なる味方ではなく、物語の後半で立場が大きく変わる重要人物
- 『ゲーム・オブ・スローンズ』『ナルコス』からハリウッド大作へ橋渡しした一作
- ウイスキー役の後に『ワンダーウーマン』続編などブロックバスターへ活躍が拡大
ペドロ・パスカルがキングスマンで演じた役
出演作は『キングスマン ゴールデン・サークル』(原題 Kingsman: The Golden Circle)です。2015年の『キングスマン』の続編にあたるスパイ・アクション映画で、監督は前作から続投のマシュー・ヴォーン。
ペドロ・パスカルが演じるのは、アメリカ側のスパイ組織「ステイツマン」に所属するエージェントです。
キングスマンがロンドンの仕立て屋を隠れ蓑にしていたのに対し、ステイツマンはケンタッキーのウイスキー蒸留所を表の顔としています。そのため、所属エージェントのコードネームはすべて酒の名前。ウイスキー、テキーラ、シャンパン、ジンジャーエールといった具合です。
ペドロ・パスカルのコードネームは「ウイスキー」、本名はジャック・ダニエルズ。スーツで固めた英国紳士のキングスマンとは対照的に、レザーとデニム、カウボーイハットという徹底したアメリカン・ウエスタンのいでたちで登場します。
二丁拳銃と電磁式投げ縄という異色の武器
ウイスキーの見どころは、なんといっても武器と体術です。
腰から抜き放つ二丁のリボルバー、そして電流を帯びた投げ縄(電磁式ラッソ)。この投げ縄が敵を切断したり縛り上げたりする描写は、シリーズの中でも群を抜いて印象的です。西部劇のガンマンとハイテクスパイが融合したような、キングスマンらしい「やりすぎの美学」が凝縮されています。
バーでの乱闘シーンでは、ハットのつばに手をかけて構えるだけで場の空気が変わる。そんな佇まいの説得力こそが、この俳優の持ち味だと感じます。
ウイスキーというキャラクターの本当の立ち位置

物語序盤のウイスキーは、頼れる相棒として描かれます。エグジーやハリーとともに任務にあたり、時に軽口を叩き、時に圧倒的な戦闘力を見せる。典型的な「クールな助っ人」ポジションです。
しかし後半、彼の行動には別の動機があったことが明らかになります。
その背景にあるのは、過去に薬物の影響下にあった人物によって身重の妻を失ったという痛切な体験です。麻薬使用者への強い憎悪が、彼を組織の方針とは異なる選択へと向かわせていく。単純な裏切り者ではなく、私的な喪失を抱えた人物として描かれている点が、このキャラクターの厚みになっています。
ヴィランに徹しきらない、けれど味方でもない。この揺らぎを、ペドロ・パスカルは表情の微細な変化だけで成立させています。多くを説明せずに内面を漂わせる演技は、後の『THE LAST OF US』のジョエル役にも通じるものがあると個人的には思っています。
キングスマンはペドロ・パスカルにとってどんな一作だったか

キャリアの流れの中に置いてみると、この作品の位置づけがはっきりします。
こうして並べると、キングスマンは「ドラマの実力派」から「映画のアクションスター」へ移る転換点だったことがよく分かります。俳優としての歩みをより詳しく追いたい方には、ペドロパスカルの経歴をまとめた解説や、下積み時代を扱ったペドロパスカルの若い頃の記録も参考になります。
ステイツマンの主要メンバー
ウイスキーの魅力は、周囲のキャラクターとの対比でさらに際立ちます。
そして敵役のポピー・アダムスを演じるのがジュリアン・ムーア。この豪華な布陣の中で、ウイスキーが最も観客の記憶に残る一人になったことが、当時の評価を物語っています。
ウイスキー役を楽しむための鑑賞ポイント

これから観る方、もう一度観る方に向けて、押さえておきたい点を整理します。
鑑賞前のチェックリスト
なお配信状況は時期によって入れ替わります。国内の主要な動画配信サービスで取り扱われることが多いものの、見放題か個別課金かは変動するため、視聴前に各サービスの最新情報を確認するのが確実です。
よくある質問
ペドロ・パスカルは1作目のキングスマンにも出ていますか
出演していません。彼が登場するのは続編の『キングスマン ゴールデン・サークル』のみです。1作目にステイツマンという組織自体が登場しないため、ウイスキーは続編からの新キャラクターにあたります。
ウイスキーは主役ですか、脇役ですか
主人公はあくまでエグジー(タロン・エガートン)です。ただしウイスキーは物語の展開を左右する重要人物で、出番の量以上に印象を残す配置になっています。いわゆる「おいしい役」と言えるでしょう。
あの投げ縄アクションは本人が演じているのですか
アクション大作では危険なカットにスタントが入るのが一般的ですが、彼は役作りとして武器の扱いや所作の訓練を積んだうえで撮影に臨んでいます。カウボーイらしい構えの自然さは、その積み重ねの成果と考えられます。
ウイスキー役の後、どんな大作に出ていますか
『ワンダーウーマン 1984』でのマックスウェル・ロード役をはじめ、『マンダロリアン』『THE LAST OF US』と主演作が続きます。近年では歴史大作でも中心的な役を担い、グラディエーターII 英雄を呼ぶ声ではマルクス・アカシウス将軍を演じました。
キングスマンのウイスキーが気に入ったら次に何を観るべきですか
アクションと人間味の同居という点では『マンダロリアン』が近い感触です。より重厚な演技を求めるなら『ナルコス』、大作での存在感を確かめたいならグラディエーターのキャスト陣と並ぶ近作が良い比較対象になります。
まとめ
ペドロ・パスカルが『キングスマン ゴールデン・サークル』で演じたのは、ステイツマンのエージェント・ウイスキーことジャック・ダニエルズ。二丁拳銃と電磁式投げ縄を操るアメリカン・カウボーイ型のスパイです。
陽気な相棒として現れ、やがて別の顔を見せる。その振れ幅こそが、この役の面白さでした。
ドラマの実力派から世界的な映画スターへ、その橋渡しとなった一作として観返す価値は十分にあります。すでに観たことがある方も、いまの彼を知ったうえでもう一度触れてみると、まったく違う発見があるかもしれません。
